ALL #44

ALL #43 - 日記


入院当初にダウノマイシンを投与したしばらく後に脱毛が起こったが、それ以来脱毛はなかった。そのときからずっと髪の毛はまばらだったけど、最近少し伸び始めたねと言われていたところだった。系統としても同じアントラサイクリン系の薬剤なので、ドキソルビシンが原因だと思う。


これによって、まばらだった髪がスキンヘッドに近くなった。この時点で髪自体は短かったので、脱毛でそんなに外見が変わるわけでもなく、そういう意味でのショックは少ないけど、3ヵ月ほど先に退院の光が見えている中だったので、帽子をかぶらずに生活できる日がまただいぶ先に延びてしまったのかと思うととても残念だった。枕についた髪は短かくて取りにくかったので、粘着テープのローラーで取った。


地固め療法3回目の後半、キロサイドの5日連続投与の2週目が始まる。


もうそろそろ看護師さんが来るころだなと思って待っていると、担当の看護師さんがやってきたのだが、その看護師さんが発した言葉は意外なものだった。


「今日中止やって。」


驚いて理由を聞くと、白血球の数が500/μLに減っており、今週5連投するのは無理だと主治医が判断したということだった。治療前に説明は聞いていたものの、これは残念なことだった。これまでいろんな副作用は出ても、予定の治療を中止したことは一度もなかったからだ。


そもそもこの地固め療法3回目というのは少し無理があるスケジュールになっていて、骨髄抑制のまだ終わりそうもないタイミングで後半の投与を始める点に疑問を感じていた。主治医の先生とも、「これをちゃんと最後まで貫徹できる人は少ないんじゃないですか?」と話をしたりした。


まあ予定の治療ができないからと言ってすぐさま病気の症状が出るわけでもないし、この治療スケジュール自体も厳密に検証されたものでないと言えばない。「キロサイドの投与を1週目まで続けられただけでも効果はあると思いますよ。」とも言われたのでよしとすることにした。


その後しばらくはロイケリンなどの他の薬も止めて、グランを注射しつつ骨髄抑制が治まるのを待つことになった。そして、事前の説明ではしばらく治療をストップするという話を聞いていたのだが、結局そのまま中止になり、地固め療法3回目自体が終了ということになった。


その後は骨髄抑制のために熱が出て抗生物質を投与したり、血小板などが減って輸血したりという毎度のイベントはあったものの、なんとか無事白血球数も回復していった。