ALL #50

ALL #49 - 日記


気がつくと9月。まだまだ暑いけど、少しずつ秋の気配が感じられるようになって来た。入院した頃には半年後のことなんてなかなか想像できなかったけど、僕はなんだかんだで予定の治療をほぼ受け続けることができた。これから始まる5回目の地固め療法が終われば退院できる。なんだか信じられないような気もするけど、僕は入院患者でなくなることができる。


5回目の地固め療法は2回目と同じ内容なので、感じはわかっている。しかも主治医は腕からの点滴で治療をすることを認めてくれた。あと1回なのでなんとか鎖骨の下にカテーテルを入れることは避けたかったからとても嬉しい。


そして月曜日に開始。24時間のメソトレキセートや髄液注射など緊張の続く治療を行う。とにかく水分をとるように心掛け、尿のpHは毎回測ってチェックしてもらう。便秘対策に薬を飲み、液漏れのないよう点滴の刺さっている左腕はなるべく動かさないようにした。


翌日、24時間点滴が終わったので点滴を抜いてもらえるのかと思ったが、何度か行うメソトレキセートの血中濃度の採血結果を見るまでまだ抜けないのだとか。夜からメソトレキセートの解毒剤であるロイコボリンを飲み始める。ロイケリンは3週間飲み続ける。


金曜にはメソトレキセートの濃度が下がったことも確認され、4日間で点滴は抜けた。液漏れもなかったし、2週間後に行う同じ治療にも見通しが立った。これでいける。


この時点で白血球数が1400/μLまで下がっていたが、外泊が許可された。2回目の地固め療法のときの経験から、僕はこの治療では白血球数が極端に下がらないことが予想される。家に帰ると4日間我慢していた風呂に入った。もうカテーテルの跡もふさがったので風呂にも普通に入れる。


そしてこの後、またもや数日に一度病院に行く生活が始まった。一応、採血をして白血球数をチェックしていたが特に外泊に問題はなく、結局2週間後に行う同じ治療が始まるまで外泊の生活を続けることができた。


そして2週間後に全く同じ治療を行い、同じように4日後に点滴がとれた。まだあと1週間ロイケリンを飲まなければならないが、これでほぼ入院が必要な治療をすべて終えることとなった。長かった。この後は白血球数が回復し、骨髄穿刺の結果が問題なければ退院となるのでそれを待つことになるが、その間外泊をすることになるので、外泊をしながら退院を待つというおかしな状態になる。でもなんでもいい。自由な生活はすぐそこだ。


外泊中にはこんなことがあった。スーパーに行った帰りに突然雨に降られ、自然と走ってしまったのだ。実は僕が走ったのはたぶん半年ぶり。入院してしばらくの頃、走ろうとしたら足の力がなくてしゃがみこんでしまって以来走ることを控えていたのだが、僕の筋力は連日の外泊のお陰もあって走れるほど回復していたことを知った。


9月はほとんどの時間を外で過ごす月になった。