ALL #31

ALL #30 - 日記


朝、まだ暗いうちから起こされる。看護師が採血をしに来てくれた。今日からまた治療なんだとうんざりする。


朝食や掃除などが終わると、まず吐き気止め。その後、メソトレキセートという薬をつながれる。今までの抗がん剤は投与する時間が1時間とか3時間とかで、その間、早く終わらないかな〜とおとなしく、かつ嫌な気持ちで待っていた。でも今回は24時間投与。明日の同じ時間までずっと投与され続ける。また薬の効果を高めるために体内のpHをアルカリ性にしておく必要があるらしく、毎回尿をチェックされ、酸性のときは、体内をアルカリ性にする薬を投与された。今に始まったことではないが、僕の体はやり放題だ。


更に、メソトレキセート投与36時間後からはロイコボリンという薬を飲まなければならない。これはメソトレキセートの解毒剤らしい。どうやら、あんまり長い間メソトレキセートの濃度が高いとまずいらしく、メソトレキセートの血中濃度を測るために何度か採血もする。投与した薬を解毒する…物凄い治療法だ。この事実を見ても、抗がん剤が人間にとって普通に毒だということがわかる。


その他、オンコビンも投与され、午後には髄液注射が行われた。2回目だけど、もちろんとても嫌だ。メソトレキセートとデカドロンが投与された。前回と同じくらい痛かった。


それから、抗がん剤を使っているときはいつもそうだけど、水分を多くとるように言われた。輸液の点滴もいつもより速いペースで落とされ、それだけじゃ足りないのか利尿剤も使った。寝る前にはロイケリンという散剤を飲むことになった。これから毎日寝る前に21日間ずっと飲む。僕は薬のハンドブックを買って、自分に投与された薬のところにはチェックのシールを貼っていたけど、もうシールだらけになって本が使いにくくなっていた。


治療によりすぐに劇的な副作用が出るということはなかったけれど、やっぱり何があるかわからないので、食事の量は少なめにした。というかまあいつも病院食自体が僕にとって少なめだけど。


そして就寝。でも24時間の点滴でメソトレキセートを落とすので、寝つつも治療をすることになる。点滴を落とし始めてからずっと、尿の色はメソトレキセートと同じ鮮やかな黄色だ。薬の色によって尿の色が変わるのには慣れてるけどやっぱり嬉しくはない。とにかく寝ることにする。


翌日、普通に寝て起きると黄色い液体が相変わらず管を通って体に入っている。でももう少しで24時間経つ。


普段どおりにご飯を食べたりトイレにいったりして過ごしていると11時になり、メソトレキセートの点滴は終わった。とりあえず嫌なことは一つ減ったけど、しばらくは尿のpHのチェックは続けるし、メソトレキセートの血中濃度の採血は何度かする。夜にはロイコボリンが渡されて、今後何回か飲むことになる。ロイコボリンは10錠も渡された。僕は昔から薬を飲むのはうまかったけど、今回の入院では、錠剤を大量に飲まなければならないことも多く、苦労することもあった。