ALL #27

ALL #26 - 日記


引越しは午前中にも行うとのことだったので、11時には荷物をまとめるよう指示された。ベッドごとの移動になり、まとめた荷物はベッドに載せて持っていくのだけど、その量は物凄かった。


服、タオル、食糧、本、洗面具、お見舞いの品…ベッドは満載になり、いくつかは自分で持って移動するはめになった。看護師さんも「多いですね」と言っていた。僕は普段から荷物が多い。


移動するのは同じ病棟の一番奥の部屋。この病棟は血液と消化器の混合病棟になっていて、僕のように治療中に感染の危険がある患者はなるべく奥に配置されるのだと思う。この病院の大部屋は4人部屋になっていて、窓側に2人、廊下側に2人が配置される。僕は廊下側へ案内された。窓側には窓がありとても明るい。廊下側には窓がなくとても暗い。当然窓側の方が人気があって、仮に窓側に空きが出たとしても、廊下側の人が移動したいと言って移動してしまうので、新しく大部屋に来る人は廊下側に配置されることが多く、僕も例外ではなかった。


部屋にいた人に簡単に挨拶すると、早速荷物の収納を始めた。ずっと個室にいたこともあるけど、僕はすぐにカーテンを引いて周りから見えなくして作業をした。やはり暗い。しばらく作業が進むと昼食の時間になり、作業を中断して昼食をとった。壁を見ながら食事をするのはこの病院に来て初めてだ。廊下側は、四方のうち二方向が壁。カーテンを引くと、残りの二方向がカーテンとなる。


TVを見ることもできるが、カードを買ってこないといけない。個室では無料だったのに。当然個室と違ってイヤホンをしなければならない。冷蔵庫を使用するにもお金が要る。どんな風にすごせばいいのかわからないけど、とりあえずなるべく音を立てないよう気をつけた。


更に、他の患者さんたちには結構面会の人が来ていた。この部屋の人は僕と似たような病気の人ばかりだったし、病室に入るときは消毒をしてマスクをすることになっていた。でも面会の人たちは慣れた様子で入ってきて、マスクをしていないばかりか、菌を持ちやすいため入室を禁止されているはずの子供が普通に入ってくることもあった。ついさっきまで個室にいた僕にとっては非常に怖いことだった。大部屋にいるというだけでも感染するんじゃないかと不安なのに。今は白血球の数も足りてるのでいいようなものの、大丈夫なんだろうか。


そんなこんなで1日を終えると、21:30に就寝となり電気が消された。しかし個室にいたときは就寝時間に関係なく電気をつけてテレビを見たりしていたので、すぐに眠れるわけでもなかった。なかなか眠れないと思っていると、懐中電灯を持った看護師が巡回に来た。目を開けていると気を使うので、寝たふりをしたりした。先が思いやられる。