ALL #22

ALL #21 - 日記


病院にはほぼ予定どおりの15時に着いた。


今日はカテーテルが詰まらない処理をしてから、再び外泊に出る予定だったが、バイタルを測ったところ、体温が37.5℃あった。外泊禁止になったら困ると思って焦ったけど、解熱剤を飲むことで、外泊は認めてもらえた。やっぱりダメなんて言われないように、足早に病院を出た。日曜に病院に戻るまで、あと2泊できる。この時間も、ほとんどを誰かと過ごした。


病院から出た後は、その足で実家に向かい1泊。土曜日には友達が家に来て、寝る間を惜しんで遊んだ。日曜日には、リレーするように友達に会い、初対面の友達同士が鉢合わせしてしまったりもした。少しでも時間を有効に使って友達と会うことを考えた。申し訳ない気もしたけどとても嬉しかった。


でもその間も、時間は着実に進んでいた。僕は日曜の20時には病院に戻らなくてはならない。


日曜日。最後の友達と焼肉を食べた後、19時に別れて再び病院へ向かった。いろんな友達と会えたけど、別れてしまうとまた一人。駅から病院へ向かう道は暗く、これからまたあの入院生活が再開することにうんざりした。次はいつ外に出られるのだろう。外泊前より少したくましくなったような気がするこの足も、また細く貧弱になってしまう。僕は病院の近くの店で飲み物などを買った。1分でも長く外にいるため、買い物をした後も20時ギリギリまで無意味に店にいた。


夜の病院はいつもと全く変わらなかった。僕がこの数日、外泊をしてどんなことがあって、どんな気持ちになったかなんて誰も気にしていない。公衆電話で誰かと電話をするおばあさん、ときどきうめき声を上げるおじいさん、お見舞いから帰る家族。


僕は帰りがけ、ナースステーションで、無事戻ったことを伝えると個室に戻った。着替えや手洗い、うがいなどを済ませた頃、看護師さんがやってきた。体温や血圧を測ると点滴が繋がれ、再び点滴棒を常に従えた生活に戻った。


この日は、疲れたせいかいつの間にか寝てしまった。でもなぜか夜中に目が覚めてその後はあまり眠れなかった。外泊中、睡眠時間がめちゃくちゃだったせいもあると思うけど、こんなことは初めてだった。そんなとき、暗闇でぼんやりと外泊中のことを考えると、それはあっという間の出来事で、現実のことではないような気もした。でも逆に、自分が白血病で、その治療をしているというのもなんだか嘘のようにも思えた。今はただ、殺風景な暗い個室にただ一人自分がいるという事実があるだけだ。今までに何があったかなんて重要なことじゃないかもしれないし、これから先何があるかなんて確かなものは何もない。


少しずつ外が明るくなってきた。