離島

実は先日、離島遠征を企んでいました。


先日というのは、建国記念の日を含めた3連休。僕は釣り師ですが、寒いときと眠いときは釣りをしないという、かなりリミテッドな釣り師です。なので、通常2月に遠征なんかしないのですが、あまりに長いこと遠征をしてないのでついつい。


でもそれはやはり無謀なものでした。覚えている方は覚えていると思いますが、あの3連休はものすごい寒波が日本列島を覆いました。ただでさえ寒さの厳しい今年の冬の中でも特にひどくて、大阪や東京でも雪が積もりました。僕が狙っていたのは伊豆諸島の御蔵島というところでしたが、当然各地でフェリーも欠航が相次ぎ、更にドクターストップもかかって断念しました。


ところで、僕は伊豆諸島には何度か行ったことがあります。東京の竹芝桟橋からフェリーが出ているので、特に関東地方に住んでいる人にとっては伊豆諸島はとてもアクセスがいいのです。でも僕には持論があります。それは、


秘境に魚影あり。


要するに人のいないところはよく釣れるということです。以前も三宅島が避難解除された直後に行って大物が釣れたこともありました。でも、なのに、どうして僕はアクセスのいい伊豆諸島の島を狙ったのでしょうか。以前、あれは確か式根島に行ったときのこと。そのときは、当初奄美大島に行こうとしていたのですが、台風で断念せざるをえず、そこでなんとなく式根島に切り替えたのです。


しかし甘かった。式根島ももろに台風の影響を受けました。島に渡るのは渡ったのですが、海は荒れます。でもとりあえず釣り。さすが離島、よく釣れます。



しかし翌日、台風の進路からして、早く東京に戻らないと島に軟禁状態になってしまうことが判明。仕方なく1泊で島を去ることにしました。そしてフェリーのチケットを買い、フェリーを待ちます。


しばらくするとフェリーが姿を現し、汽笛を鳴らしてどんどん近づいてきました。フェリーは入港し、着岸体勢に入ります。こんなときでも島にやってくる人はいるもので、フェリーには降りようとする人たちが並んで待っていました。そしていざタラップをかけようとするのですが、波が荒くなかなかうまくいきません。早く着岸しないかな〜と思いつつ見ていた僕でしたが、ここで突然信じられないアナウンスが流れました。


「当フェリーは欠航となりました」


ええええええええ!!!???


どよめきが起きるのもそこそこに、船はゆっくりと岸から離れ、やがて違う島に向けて去っていきました。



ありえない。初めての経験でした。降りる人の顔もはっきりと見えるくらいまで近づいたのに…港にはたくさんの人が取り残され、僕たちは台風が去って海が落ち着くまで、この島で軟禁状態にされることになってしまいました。


落胆する僕…。


でも、どんなときでも諦めてはいけません。呆然としていると、何台かの漁船が横付けしてきました。なんでも、フェリーが次に向かう利島まで漁船で行くというのです。つまりこういうこと。式根島は港が小さく、海が荒れるとすぐ着岸ができなくなってしまうが、利島は港が大きいので着岸できる可能性が高い。漁船は港の奥まったところまで入れるので式根島でも乗り降りができるから、全速力で飛ばしてフェリーを先回りしようというのです。ワクワクしてきました。ということでミラクルを信じて乗船。



3000円渡すと漁船に乗せてくれて、あとはひたすら大海原を利島に向けて突き進みます。漁船に乗ったのは初めてで、スピード感あふれる走りに大興奮。風を感じてとても気持ちがいいのです。そして走ること数十分、とうとうキャッチしました。



フェリーが利島に入港する前に利島に入り、乗船の準備をしていると、フェリーが入港してきました。聞いたとおり式根島より大きな港で、無事着眼し、乗船することができました。



そんな体験をした式根島遠征だったのですが、その式根島に行くときから既に欠航が決まっていた島がありました。それが御蔵島式根島より行きにくいとは、さぞかし魚影も濃いに違いない。そういうわけで狙っていたのです。


でもさすがにアクセス至難の御蔵島。結局未だ辿り着けずじまいです。