卓球

昨日、卓球の全日本選手権で、四元奈生美選手が混合ダブルスで準優勝しました。しかも準決勝であの福原愛を破って!!


四元選手は今やコスプレ選手として有名で、卓球選手とは思えない出で立ちで試合を行います。今回のユニフォームの中にも、ジャンヌダルクをイメージとしたものやレインボーな色合いのものなどがあり、マスコミが取り上げていました。過去にもルーズソックスや肩を出したものなど、そちらの方が先行したイメージの選手でした。


でもその四元選手が実力もあることを示したのです。もともと、そういう格好をしていること以外は他の選手と同じように試合にも練習にも取り組んでいたようなので、別におかしなことではありません。僕は彼女の中身のことはわかりませんが、ああいう独特な人は好きなので、たまに目にすると応援してました。


ところで今、卓球ってどういうイメージを持たれているスポーツなのでしょうか。僕のいた少年団では、ピン球は白と決まっていて、それが見にくくなるといけないので、ユニフォームは上下紺色、卓球台は冬のプールのような深緑、体育館のカーテンを全部閉め切って卓球をしていました。僕と四元選手はそんなに歳が離れていないので、四元選手も同じような経験があるのではないでしょうか。僕が卓球をやめた後、ボールがオレンジになり、卓球台もブルーのものが出始め、更に福原愛の登場で少しはイメージが変わったように思います。


また卓球というのは野球やサッカーと違い試合時間が短いこともあって、1日に何試合も試合を行います。そのため四元選手は同じ日にいろんなユニフォームで登場しました。それを見ていると、今度は自分が1枚しかユニフォームを持っていなかったことを思い出しました。


僕は中学まで卓球をやっていましたが、一番うまかったこともあり卓球部のキャプテンをしていました。当然大会に出ても強豪選手の一人で、トーナメント戦の一回戦や二回戦で負けることはなく、1日に何試合も試合をすることになります。他にも勝ち残ってくる選手はいつも大体決まっているのですが、強い選手ほど、四元選手のようにユニフォームを試合ごとに着替えていて、それがなんともかっこよく見えました。


僕が汗をほとんどかかない選手だったので実害はなかったのですが、もし僕が汗かきだったとしても、たぶんユニフォーム1枚で試合をしていたと思います。というのは、親が全然そういうことに理解をしてくれなかったからです。卓球は親に言われてイヤイヤ始めたのですが、それなのにうちの親は「スポーツ=球遊び」の一点張りで、その価値を認めません。


例えば、僕は7年間ずっと同じラケットを使っていましたが、中学最後の試合の1ヶ月前にラケットを落として割ってしまいました。ラケットというのは繊細なものなので、接着剤でくっつけて使うのとかは無理です。なので、親に買ってくれと言ったら、ダメだと言われました。


え…。


僕はまがりなりにも卓球を続け、その集大成の最後の大会に全力を尽くすつもりでした。もちろんチームの大黒柱として頼りにされていたし、過去には、運動会の練習中に騎馬から落ちて右腕を強打し、気絶しかかった数日後に痛みをこらえながら出場したこともありました。また他の学校の選手たちも注目しています。まさかラケットがないから出場断念なんて…そんなことがあってはなりません。松井秀喜が、バットが折れたから交代するようなものです。


ということで僕は、自分のありったけのお金を集め、更に卓球部の友達なるべくたくさんを連れて卓球ショップに行きました。足りなかったら貸してもらう作戦です。中学生というのはどれくらいお金を持っているものなのかわかりませんが、僕は当時1万円に到底満たない額しかありませんでした。


なんとかそのときは新しいラケットを買うことが出来たのですが、ありったけのお金をつぎこんだラケットも、当然大会が終わって引退すると使われることはなくなりました。


次は超貧乏なホームレス卓球選手とか出てこないかな〜。応援するのに。