誕生日

今年も始まりました。またみんな1つずつ年をとります。と言っても実際に年をとるのは誕生日が来てから。あなたの誕生日はいつですか?


1ヶ月後!とか、半年後!とか思ってるあなた、それは大きな勘違いです。


1ヶ月後が誕生日ってことは、お母さんのお腹の中でインターネットをしていることになります。そうです。人は一度しか生まれないので、誕生日というのは一度しかありません。


じゃあみんなが誕生日と呼んでいるものは一体何なのでしょうか。


生まれた日と同じ日付の日じゃん、と思ったあなた、あなたは説明能力に欠けています。もし宇宙人がUFOに乗ってあなたの目の前に現れ、「タンジョウビトハナンデスカ?チャントセツメイシナイト、チキュウヲバクハシチャウヨ!」と言われたらどうするんですか!あなたは地球を救うために客観的かつ普遍的な説明をする必要があります。


宇宙人はきっと生命体だから、生まれるという概念は通じると思います。でも日付が同じという概念は通じるでしょうか。いや、危険です。万が一通じなかったら地球は木っ端微塵です。ここは日付という言葉を使わずに説明しましょう。


例えば夏に生まれた人は、次の夏が誕生日って説明はどうでしょうか。いやいや、夏なんて通じるはずがありません。じゃあそもそも季節ってなんなんでしょう。


季節が生じる理由は、中学校までに習います。地球というのは太陽の周りを公転していますが、それだけでは季節は生じません。地球は公転だけではなくクルクルと自転もしています。だから昼と夜があるわけですが、その自転の軸が傾いているため、公転周期のある場所では、1日の太陽が見える時間が長くなり、ある場所では同じくらいになり、ある場所では暗い時間が長くなるのです。


ということで、宇宙人には少し地球から離れてもらって、太陽と地球が確認できる位置でUFOを停止させ、こう説明すればいいのです。


「あの太陽という火の玉の周りを、あの青い地球という物体がゆっくり回っていきます。地球では人が生まれ生活していますが、太陽と地球の相対的なポジショニングが、自分が生まれたときと同じになった瞬間が誕生日です。あなたの持っている超高性能望遠鏡で見れば、大喜びしてロウソクの火を吹き消す人を一人くらい見つけられるでしょう。あの人は、今のポジショニングと同じときに生まれた人なんですよ。」


「オオナルホド!ワタシノイチゾクハ、オオムカシ、ウチュウニイジュウシタノデ、ソンナコトシリマセンデシタ」


こうしてあなたは地球を守ったのです。


たまには自分が生まれたときの宇宙の様子を想像しながら誕生日を過ごすのも悪くないですよ。