カッターシャツ

年末年始は大荒れ。


そんな天気予報で頭を抱えている人もいるかもしれませんが、昨日思いがけず晴れたので「チャンス!」と思って洗濯をしました。


とても寒い日でしたが、風が強いのですぐ乾くぞと思って洗濯物をベランダに干しました。そしてしばらく時間が経ち、ベランダの様子を見ると、白いものが下に落ちていました。


しまった!


うちのマンションは大きな道路沿いなので、ベランダに物が落ちると汚れます。また洗濯しなければなりません。あちゃー…。しかしよく見ると、そこに落ちていたのは白いカッターシャツ。僕は最近カッターシャツを着ていないし、当然干してもいません。


たまにあるのですが、見知らぬ洗濯物がベランダに落ちてます。洗濯物どころかハンガーやスリッパまで落ちていたことがありました。でもどれもどこからやってきた物なのかわからないのでどうすることもできませんでした。でも今回はまだきれいなカッターシャツ。なんとかならないものかと思いました。


僕は考えました。普通サラリーマンはカッターシャツを何枚も持っているもの。きっとたくさん干したカッターシャツのうち1枚が飛ばされてたまたま僕のベランダに入ってしまったのだろう。


そう考えた僕は外に出てマンションから離れ、遠くから近くの部屋のベランダを見てみました。カッターシャツを干している部屋があればそこの可能性が高いはずですが、パッと見たところそういう部屋はありませんでした。僕は部屋に戻りました。


困ったなと思いつつカッターシャツを見ていると、それが少し小さめなような気がしました。よく見るとそれは合わせが僕のと逆。女性ものでした。女性は男性ほどカッターシャツをたくさん持ってないから1枚だけ干してたのかも…そう思うと同時に、僕の隣の部屋に確か女性が住んでたことを思い出しました。一度しか見たことないのですが、少なくとも女性が一人は住んでるはず。


僕はもう一度ベランダに出ました。人の部屋を覗き込むことはしませんが、首を伸ばすとべランダの様子はわかります。すると洗濯物が干してあるようでした。しかも洗濯物の一部が風で下に落ちていました。これは怪しい。


今となってはもうお隣さんに聞いてみるしかありません。それでダメなら仕方がない。僕はお隣さんとしゃべるシミュレーションを何度も繰り返した後、それなりの格好に着替えました。僕は今ひげが伸びているし、ほとんど話したこともないから警戒されるかも…でもこれを乗り越えたら喜んでもらえるかも…。僕はかなりドキドキしながら外に出て、インターホンを押しました。


しかし誰も出ませんでした。


外出してるのでしょうか。僕はドキドキから解放されて少しホッとしましたが、問題が先送りされたことも理解していました。その後も2度ほどインターホンを押しに行きましたが反応はありませんでした。


いやー困りました。最近の日本はお隣さんと連絡を取ることも難しいのですね。困った困った。どうしよう。