ALL #03

2007年2月


去年からなんだか調子がおかしかった。何がというのが具体的にうまく言えないけど、なんというか全般に調子が悪くて、だるいというか痛いというか、大体において仕事を休んだりするまでではなかったけど、結構ギリギリなときもあって、歩くのがつらいときもあった。昔から久しぶりに人に会うと、「痩せた?」とよく言われたものだが、この頃は普段毎日顔を合わせてる人に「痩せた?」と言われることが多くなった。正月に体重を測ったら、5kgも落ちていた。


年が明けても体調は改善することはなかった。関係はわからないけど出張先のホテルで夜中に歯が痛くて目が覚めて、次の日の仕事中に我慢できずに歯医者に飛び込んだこともあった。2月には時間もできたので近所の内科のクリニックに健康診断的な意味合いも含めて診察に行ったこともあった。一応このときはお腹の調子がすぐれないということで。でもどちらも特に悪いところはないと言われ、拍子抜けするとともに、何かが起こってしまわないと治療とか改善とかはできないのだろうかというあきらめも持った。もちろん何も起こらないといいなとは思ってたけど。


そのクリニックに行った次の日のこと。


いつものように会社に行き、もうそろそろお昼という頃。溝落ちの辺りが少しずつ痛み始めた。昼ごはんを食べるかどうか迷ったが、先輩にうまい店があるよと誘われたのもあって、まあ痛みも一時的なものだろうと普通に定食を食べた。しかしその間腹痛はやむことはなく、昼休みが終わる頃にはトイレにかけこんでいた。でもトイレに行って治るような痛みでないのは最初からわかっていて、案の定なんともならなかった。


とうとうどうにも仕事ができる状態ではなくなったので、昨日行ったところではあるが病院に行くことにした。最初は、昨日行った近所のクリニックに行こうとしたが、既にそんな余裕はなかった。とにかく早く病院に行きたかった。


会社の近くで病院に行ったことがなかったので、最初は人に聞いたりウェブで調べたりしたけど、ほとんど頭に入らないし、電話で営業してるか聞いたり地図を調べたりすることもつらかったので、とりあえず外に出て看板を探しながら歩いた。会社の近くには割りとたくさんの病院があるから。幸い2件目のところが、診療時間外ではあるがまだ先生が帰ってないので診てくれるということになった。僕はそのとき、傍から見て相当苦しそうだったと思う。


僕はこれで少しは安心だと思ったが、お腹の風邪をひいたんじゃないかということで、痛み止めを飲んで治療を終えた。当然痛みが急にひくことはないので、お腹をかかえて会社に戻り、カバンを持って即早退した。タクシーで帰ったが、痛くて痛くて、家までとても長く感じた。


15時までには帰宅したと思うが、痛み止めの効果は全くなく、痛さは増すばかりだった。今まで人目があったし、外だったから抑えていたけど、家に帰ると文字通りもんどりうって苦しんだ。痛さの波なんかはなく、常に激痛が走っていた。どんな体勢をとろうとも、さすっても叫んでも、何をしてもひどい痛みは継続して続いた。家の中を行ったりきたりしたり、自分の顔を叩いたり、寝転んだり立ち上がったり、本当に苦しかった。


このままではダメだと思って、ついさっき病院に行ったばかりだけど、昨日行った近所のクリニックに電話した。でも誰も出なかった。診察券を見ると、診療時間は17時から。薬ももしかしたら効いてくるかもしれないし、17時までは待つことにした。もちろん痛みは変わらず、何度も何度も時計を見たが、さっき見たときからほとんど時間は進んでなかった。


ようやく16:30に電話がつながり、フラフラになりながら自転車に乗り、17時に診察を受けることができた。


先生は「痛そうやねー。」と言って診察を始め、最終的な治療としては、痛み止めの筋注をした。そして「夜になっても痛かったり、黒い便とかが出たらすぐ近くの総合病院行きや。」と言って帰された。


注射によって、若干痛みがやわらいだように思えたが、それも1〜2時間。すぐに痛みは復活した。そしてそのクリニックの診療時間も終了。地獄の時間が始まる。