ALL #02

通された部屋は8人部屋。ただその部屋は一人しか入院してなかったので、あまり気を使わなくてよさそうだった。程なくして主治医の先生が研修医の先生を連れてやってきた。「これからいろいろ調べて原因を考えていきましょう。」。入院は1週間ちょっとではないかという話。ちなみに気胸ではないということだった。


午後にまた検査があるため昼は絶食。痛みに耐えながら待っていると、エコーに呼ばれた。エコー検査というものは痛みはないけど、長時間やられるのはやっぱりつらい。研修医の先生がエコーをやった後、エコーをやり慣れた先生がもう一度エコーを行った。医者も育てなければならないのでそういうのは出来る限り協力したい。この日の検査はこれで終了。会社に今週は休みますと連絡した。


18時から夕食だったが、背中の痛みに耐えられず、食欲はあるのに半分くらいしか食べられなかった。ロキソニンをもらって横になっていると眠ってしまったようで、もちろんその間は痛みを感じなかった。でも消灯後にまた痛くなり、23時頃にもう一度ロキソニンをもらって寝た。ほとんど人のいない部屋だったので、少しくらいうめいても大丈夫だったのでよかった。


翌日。


睡眠はとれたが痛みは昨日とほとんど変わらなかった。この日はMRI検査の予定が入ってるだけだったので、朝食後はベッドの上で過ごす。検査や診察をしてると気がまぎれるのだが、何もしていないと痛みばかりに気が行く。でもとにかく耐えた。昼食はこの日も絶食。


昼過ぎにMRI検査を行った。狭い空間に入って、指示に従って息を止める、これの繰り返し。咳がすごく出るので長時間息を止めるのがつらかったが、30分程でなんとか終了。部屋に戻った。この日の検査はこれで終わり。


夕方、研修医の先生が一人で来ていろいろ説明をしてくれる。今原因を一生懸命調べているところですとのこと。僕は既に最悪の事態も考えていた。僕が考えていた最悪の事態というのは癌。それも一番可能性が高いと思っていたのは膵臓癌。なぜかというと、一つは僕の父親が今の僕の年で膵臓癌で死んでいるから。それともう一つは、つい一ヶ月前に強烈な腹痛に襲われて入院したのだが、その症状が当時の父親のそれに酷似していたから。


話は一ヶ月前に戻る。